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販売とマーケティングの違い

マーケティングは販売とは別物

「販売」と「マーケティング」は混同されがちです。販売とはまさに売ること。その販売を促進するのが「販売促進」。 基本的にOTAでの販売のセールに参加したりするのは、販売の領域です。しかし、これを「マーケティング」と解釈されてる方も見かけます。

マーケティングは「売れやすくする」取り組み

マーケティングとは「より売れやすくするための取り組み」です。なので販売とマーケティングは密接な関係です。ここでは、マーケティングの基本的な仕組みや考え方、 さらにリゾート型の宿泊施設特有のマーケティングについても説明していきます。

マーケティングとは何なのか

このWebサイトでは、旅館やホテル、グランピングなど、リゾート型宿泊施設のマーケティングに絞っていますが、そもそも「マーケティング」とは何なのでしょうか。なんとなく使っている方もいるのは事実です。ここではマーケティングとは何なのか解き明かしていきたいと思います。

マーケティング:売れるようにする取り組み

「販売」と「マーケティング」は混同されがちですが2つには明確な違いがあります。マーケティングの本質を端的に表した、ピーター・ドラッカーの有名な言葉を引用します。

マーケティングの目的は、顧客を深く理解することで、商品が自ら売れるようにすることである。

ドラッカーの言葉の意味

このドラッカーは、ユーザーのことを考え分析し、自然と売れるようにする取り組みがマーケティングであると示唆しています。

マーケティング:ニーズを満たすこと

マーケティングの父と言われる、経済学者フィリップ・コトラーの言葉です。

マーケティングとは、人間的・社会的ニーズを特定し満たすことである。マーケティングの最も簡潔な定義の一つは「利益を上げてニーズを満たすこと」である。

マーケティング学の第一人者。 シカゴ大学・ノースウェスタン大学で教授を務め、体系的なマーケティング理論を確立。 著書『マーケティング・マネジメント』は世界的な教科書。

ニーズを見極めるための分析

コトラーは、マーケティングにおいて重要なのは、ニーズを見極め満足させることと示唆しています。そのニーズ把握のためにマーケティングに関わる人達は、ユーザーや市場や商品について「分析」を行うわけです。

マーケティングが機能すれば、
販売はラクになる

顧客を深く理解してニーズを見極め、売れる商品を作る取り組み(マーケティング)が機能すれば、販売に苦労しなくなるということでもあります。 この販売との関係を平たく言うと、マーケティングとは販売の前の準備と言えばいいでしょうか。この準備、取り組みをうまく機能させることで安売りや押し売りともとれる売り方をせずとも「自然に」売れるようになるわけですね。

MTXの宿泊マーケティング戦略

MTXのメインの業務の一つ、宿泊マーケティングとは、宿の魅力を“市場での価値”に変え、販売を改善させ、収益につなげる仕組みと考えています。もちろん、ドラッカーやコトラーの考え方を参考にしています。

マーケティングの流れ/要素

マーケティングから販売までのフロー

  • 1分析:

    ユーザーのニーズを知る

  • 2設計・開発:

    ニーズからモノをつくる

  • 3販売:

    (not マーケティング)

やはり旅館やホテルのマーケティングでも、マーケティングの王道というべき流れをそのまま援用することができますし、宿泊マーケティングも、まさに、この流れを作っていくことと言えます。

OTAに出せば売れる。でも損をする

当然ながら、私たちのOTA販売や公式サイトでの直販でも、このマーケティングの考え方が基本になっています。OTA販売は、OTAにプランを載せて、料金と在庫を入れれば良いと思っている方が多いかもしれません。しかしそれでは潜在的な収益を失っているはずです。

マーケティング不足により「本来得られたニーズ」=利益は、実は大きいのです。

1)本来得られる単価にならずに、単価が低くなってしまう
2)本来得られる稼働にならずに、稼働が低くなってしまう

つまり、マーケティング戦略と施策が機能し仮に単価と稼働が1割ずつ改善すれば、かなりの売上アップ(単純計算で1.21倍)が見込まれますし、営業レバレッジの大きい宿泊業では、収益が大幅に改善することが見込まれます。(task:営業レバレッジ、損益分岐点について記事を書く)

販売とマーケティングで、
売上が大きく変わる

マーケティングとは「売りやすいものを考える」という取り組みやプロセスです。前述したようにマーケティングが機能していれば、自ずと販売が楽になっていきます。(当然収益性は上がります)反面、もしマーケティングに手を抜くと、販売に苦労するようになるということでもあります。

魅力を伝えることも、マーケティング

ドラッカーやコトラーはマーケティングを「顧客のニーズを分析し、売れる仕組みを作ること」と定義しました。しかし、宿泊業(旅館・リゾートホテルなど)のように「現地でしか体験できない商品」では、良いサービスを作るだけでは不十分です。顧客にその魅力を伝え、体験を想起させることが不可欠となります。

販売とマーケティングは「かけ算」

魅力を伝え、イメージしてもらう

「魅力を伝え、イメージしてもらう」について、示唆する言葉をマーケティング分野の名言から抜き出してみました。

  • セオドア・レビット:


    「人々はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しい」
     ― 製品そのものではなく、得られる体験や価値を売るべきという意味。
  • フィリップ・コトラー:


    「マーケティングとは価値の創造・伝達・提供のプロセスである」
     ― 魅力を“伝える”ことも、マーケティングの要素である。→伝える必要性
  • サイモン・シネック:


    「人はあなたの何を売るかではなく、なぜそれをするかに共感して買う」
     ― 体験や理念の共有が購買動機になるという指摘。例:クラウドファンディング

ここで気づいた方もいると思いますが、この考え方こそ、「リゾート」型の宿泊のマーケティングに必要な考え方です。

魅力のある旅館、ホテル 
売れているとは限らない

旅館やホテルの場合、もうすでに魅力的な商品(客室や施設、設備、スタッフ、サービス、料理など)が出来ている宿でも、案外売れてないことが多いことに気づきます。これは高い確率で、マーケティング(もしくは販売)の戦略や施策のミスが起きてます。

魅力を伝えること
リゾート型宿泊のマーケティング、ブランディング

旅館、リゾートホテル、ゲストハウス、グランピング、民泊など、リゾート型の宿泊施設で共通する課題は、「宿の魅力、価値」をどのようにゲストに伝え「泊まりたくなる施設になるか」です。

OTAで 旅館やホテルの価値を伝える

旅館やホテルなどの価値が伝わってれば、じゃらん、楽天、BookingなどのOTA(宿泊予約サイト)や公式サイトでの直販で販売に繋がります。 リゾート型宿泊施設(旅館、ホテル、グランピング、ゲストハウス)の販売において「価値を伝える力」が重要ということです。

リゾート特有のマーケティング
都市型施設との違い

都市型ホテルとリゾート型の宿泊施設(旅館やリゾートホテルやグランピング)の成り立ちやビジネスモデルは根本的に、違っているとMTXは考えています。

都市型(ビジネス、シティホテル)の価値は
定量化しやすい

リゾート系宿泊施設も宿泊業の一種ですので、「空間を提供する」というビジネス的な枠組みは、都市型ホテルや不動産開発と類似しています。しかしこれらは機能性や立地は定量化され客観的な指標で相場というものが形成されやすくなっています。

リゾート型宿泊施設
マーケティングが重要

前述した都市型ホテルに対して、リゾート系の宿泊施設は、付加価値の感じ方がとても曖昧です。それだけに運営や販売、マーケティングの手法で単価や稼働、売上は大きく変わっていきます。

リゾート型の宿泊施設:魅力を伝えるノウハウ

魅力が伝わりにくいからノウハウが必要

リゾート型宿泊施設(旅館、ホテル、グランピング、ゲストハウス)の販売において「価値を伝える力」は重要です。

リゾートは経営、投資が難しい

リゾート型宿泊施設の経営では、どんなに立派な施設を建てても、その投資価値がそのまま「市場価値」とはならないのが難しいとこです。言い換えれば他社との差別化するポイントとも言えます。

一つの解決策:ブランドが魅力の基準

海外のホテルではブランド重視

海外のOTAを見ると、国内のOTAに比べて写真や情報やコピー、プランの本文でアピールできる部分はありません。これは海外ではリゾートではホテルのブランドが重要視されているからだと考えています。

海外と国内のリゾートのブランド

国内のホテルブランドはありますが、やはり欧米のホテルブランドには知名度やブランドで劣るのは事実でしょう。つまり海外のOTA(宿泊市場)では、ブランドが魅力や価値の基準に大きく作用しているからこそ、それが海外と国内のOTAの違いに表れていると考えます。

国内リゾートは、
差別化こそ重要

前述のように、海外ではホテルブランドが重要視されている傾向があります。それとは逆に日本の国内OTAは、個々の宿が海外OTAよりアピールする余地が大きいです。これはつまり、ブランドを持たない中小の宿でも、有名なホテルブランドと同等に勝負できるということでもあります。

リゾート(宿泊施設)マーケティング 
まとめ/次のステップ

ここまで、マーケティング一般論から宿泊施設のマーケティングについて概要を説明してきました。できるだけわかりやすく書いたつもりですが、なるほどと思っていただけたら嬉しいのですが、、、。

まとめ:リゾート系宿泊施設では、魅力の伝え方で差が生まれる

とにかく、リゾートの宿泊施設の経営は、OTAや公式サイトでの販売だけなく、その準備段階となるマーケティングが大きな要素を占め、日々変わるトレンドはもちろん、個々のゲストの心を読みながら市場での価値を上げることが必要です。

まず、ドラッカーやコトラーが示すように「自然に売れていくものを作る」ことが重要で、日々それに取り組んでいきます。さらに「その商品の魅力を伝えること、ノウハウ」も重要です。私たちは日々、これらに心血を注いでいるつもりです。

次のステップ

次のステップでは、マーケティングをもっと深く掘り下げた説明(コンテンツ)を公開していこうと思います。(現在鋭意作成中で、手直し中です。)

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人材不足「OTA販売担当者がいない」ノウハウ不足「OTAで売れない」
売上が低迷「売上が落ちた」 コンサルに不満「遅い」「提案がない」「広告やクーポンで手数料が過大」

公式サイトをリニューアル検討中「売れる公式サイトに変えたい」
Web更新業者に不満「作業が遅い」

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